【衝撃の実話!?】映画「罪の声」のネタバレあり&なしのあらすじ感想レビュー

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東宝さん力入ってますね~と感じた一本です。それもそのはず、俳優陣は言う事なしの小栗旬✖星野源さんと素晴らしい組み合わせなのですが、脚本は「逃げるが恥だか役に立つ」の野木亜希子さんであり、原作は構想に15年!も費やした意欲作です。また題材が“声”に焦点を当てた事件ものは珍しいと思いましたので、映画館で観ました。

あらすじ

35年前、日本中を巻き込み震撼させた驚愕の大事件。大日新聞記者の阿久津英士は、既に時効となっているこの未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、取材を重ねる毎日を過ごしていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、父の遺品の中に古いカセットテープを見つける。「俺の声だ―」それは、あの未解決事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声だった!

出演・監督

監督:土井裕泰
原作:塩田武士
脚本:野木亜紀子
音楽:佐藤直紀
主題歌担当:Uru
出演者:小栗旬/星野源/松重豊/古舘寛治/宇野祥平

この記事では、日本アカデミー賞受賞作品「罪の声」の感想・レビューをネタバレあり&なしをご紹介します。35年前、日本中を巻き込み震撼させた驚愕の大事件を星野源×小栗旬のダブル主演で「逃げるが恥だが役に立つ」の脚本野木亜希子さんを迎えて描く、本気の社会派映画です。

【衝撃の実話!】映画「罪の声」のネタバレあり&なしのあらすじ感想レビュー

犯罪者は声を単なるコミュニケーションのツールとしか見ていなかった。

自分たちにとって都合の良い正義や大義名分のために使用しただけで、使われた人のその後の人生にどんな影響があるのかは、これっぽっちも考えていなかった。

むしろ、より良い社会に貢献したと思っていたことに驚愕。罪の意識も全くない。

その浅はかで身勝手な正義のために、巻き込まれた人たちの悲痛な思いは計り知れない。取返しがつかない。

いったい何が正義で何が罪なのか、本当の意味で考えさせられる良い作品でした。

【ネタバレなし】実話映画「罪の声」あらすじ・感想・レビュー

それでは、ここから見どころをネタバレなしでご紹介します。

えっ?これ、俺の声やん⁉脅迫テープの声は自分の声だった。

脅迫するために使われたカセットテープの声が幼少期の自分の声と気づくシーン。もし自分も同じ状況になったらと考えると、ゾッとしますよね。昔懐かしカセットテープがまるで悪魔からの招待状に変わった時、あなたらならどうしますか?私は・・・捨てます。が、曽根(星野源)は職業がテーラーということで細部まで突き詰める職人気質も関係しているのか、触れたくないはずのつらい現実と向き合っていき、真実と正義を突き詰めていく…。曽根の心の強さには感心しました。

他にもおったん?脅迫テープに使われたのは自分だけじゃなかった。

脅迫テープに使われた声は、自分だけじゃなく同年代と思われる子供が他にもいることが分かり、曽根(星野源)は僅かな手がかりを頼りに会いに行く。自分以外にも声を使われた子供たちのそれぞれの運命を紐解いていくことで、何が本当の正義で、何が罪なのか、ほんの些細な一つの選択で運命はこんなにも違うのかと、考えさせられます。

曽根(星野源)と阿久津(小栗旬)が夕日をバックに語り合う

映画のオリジナルシーンです。曽根(星野源)は被害者であり、阿久津(小栗旬)は記者であるそれぞれの立場から事件の真相を追うのですが、曽根にとって阿久津は、単なる一面のネタのためでしょ?という懐疑的なところがあったけれど、このシーンをきっかけに曽根が阿久津に救われる言葉をもらい、一気にお互いの距離が縮まり、一緒に真相解明に向けて力を合わせていくようになります。

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まだ鑑賞していない方は、ここから完全ネタバレになりますので、ご注意ください。 

【ネタバレあり】実話映画「罪の声」あらすじ・感想・レビュー

ここから印象に残ったシーンを3つご紹介します。
まだ鑑賞していない方は、ここから完全ネタバレになりますので、ご注意ください。

 

誰が俺の声、撮ったん?母親に直球質問!

自分の子供の声を使う事を手引きした母親を問い詰めるシーン。今まで優しい、老後を静かに暮らしている母親の顔が一変、学生運動にガッツリ参加していた頃のキリっとした険しい表情になり、一切謝らないところは、親であれども人だと感じました。主犯ともに、罪の意識がないことには驚きです。大義名分とは便利な言葉で、こんなにも人を傷つけるのかと思い悩みました。

あなたは今、幸せですか?他の子供たちと再会した時に問うた曽根の思い

自分以外に声を使われた子供たちの中の一人に会うことができた曽根(星野源)は、まずこの問いかけをしました。「あなたは今、幸せですか?」と。それは幸せであってほしいと願う、曽根の思いでもあったと思います。決して幸せとは言えなかったもう一人の被害者生島に、テーラーとして服を新調してあげることで、同じ痛みと悲しみを抱えた、疲れ切った生島の心を救うことで自分も救いたかったのではないか。これは私のかってな推測ですが、生きる島と書いて生島。一人孤独で思い悩みながら閉ざられた社会=島で何とか生きていた、生島そのものを表しているのかなとも思いました。

私は未来を信じます!主犯と対面して被害者曽根が思うこと

人、社会、政治に対する不満、怒り、考え方、思いについて、2人の間にはとてつもない乖離があった。どこで犯罪を犯すかのボーダーラインは、紙一重であり、何がどこでどう掛け違えてしまったのか・・・、本当のところは分からない・・・。こんなにつらい目にあってもなお、曽根(星野源)が前向きに未来を見つめることができるのか、正直分からない。ただ、見終えて一つ言えることは、曽根は人を信じ、人の痛みを感じることができる人であったこと。過去にとどまらず、時を止めなかった。未来を信じて、一歩踏み出したことが主犯との大きな違いだと思いました。

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原作でさらに深掘り!

「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、本屋大賞第3位。圧倒的な取材と着想で、昭和最大の未解決事件を描いた傑作長編小説。「これは、自分の声だ」――京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品からカセットテープとノートを見つける。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった――。

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小栗旬 × 星野源のインタビュー本も人気!


小栗旬、星野源をはじめ、塩田武士(原作)、土井裕泰(監督)、野木亜紀子(脚本)の「声」をまとめた一冊。映画化にあたっての制作秘話がたっぷりと盛り込まれている。小栗旬×星野源の撮りおろしカットはもちろん、劇中の未公開カットも満載。作品の魅力はもちろん、出演者たちの魅力、そして素顔がギュッと詰まったインタビューBOOK!
<内容>
〇小栗 旬×星野 源 スペシャル対談
〇小栗 旬 ロングインタビュー
〇星野 源 ロングインタビュー

〇原作を深堀り「キャラクター徹底解説」
〇「撮影秘話」満載 メイキング写真と読む撮影日記
〇事件発生の1984-1985年を追う

〇原作者・監督・脚本家が語る「制作秘話」
 [原作]塩田武士 インタビュー
 [監督]土井裕泰 インタビュー
 [脚本]野木亜紀子 インタビュー

〇阿久津&俊也が訪れた「ロケ地ガイド」

インタビュー本を読んでみる

みんなの口コミ評判(原作)

【衝撃の実話!映画「罪の声」のネタバレあり&なしのあらすじ感想レビュー】まとめ・最後に。

自分の声というものに、ここまで考えたことはないかもしれない。人の声を聴けば、知っている人なのか知らない人なのかが分かるし、声のトーンやスピードで今どんなテンションなのか、話し方でその人の年齢やさらには出身地も分かるかもしれないと考えると、意外と声で判断してる要素は大きいのかもしれない。

たかが声と思っていたけれど、実は顔や体形よりも一番その人の特徴を知り得る、特別な情報かもしれない。そういう意味では、声は人のアイデンティティーであり、心でもあると思いました。 

声というアイデンティティーの重さを図り間違えた主犯の罪はとても重い。人の人生・運命をも狂わせてまでも、やる価値がある犯罪は絶対にないということを思い知らされます。

いったい何が正義で、何が罪なのか。本当の意味で考えさせられる良い作品です。

P.S 星野源さんの関西弁はまあまあ上手かったで~

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最後まで読んでいただき、ありがとうざいます!

今日もいい映画に出会って素敵な1日を!^^

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