ホームレスではなく、ハウスレス!アカデミー賞受賞映画「ノマドランド」のあらすじ感想・レビュー

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アジア系女性が初の監督賞をあのアカデミー賞で受賞したのことで、早速映画館に行ってきました。個人的にもキャンピングカー生活に興味があり、自由で場所に縛られない生き方に憧れていたので、好奇心半分のかるーい気持ちで見に行きました。そしたら・・・!

あらすじ

リーマンショック後、企業の倒産とともに、長年住み慣れたネバダ州の企業城下町の住処を失った60代女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)。彼女の選択は、キャンピングカーに全ての思い出を詰め込んで、車上生活者、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことだった。その日その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流とともに、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく。大きな反響を生んだ原作ノンフィクションをもとに、そこで描かれる実在のノマドたちとともに見つめる今を生きる希望を、広大な西部の自然の中で探し求めるロードムービー。

出演・監督

監督・脚本:クロエ・ジャオ
原作:ジェシカ・ブルーダー
出演者:フランシス・マクドーマン ドデヴィッド・ストラザーン リンダ・メイ Bob WellsCharlene Swankie

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【ネタバレなし】ホームレスではなく、ハウスレス!アカデミー賞受賞映画「ノマドランド」のあらすじ感想・レビュー

それでは、ここから見どころを3つ紹介します。
ネタバレなしですので、安心してご覧ください。

 

金言とも思える名セリフが心に染みる

それぞれの人生に物語があり、それぞれの生き方がある。

少数派のノマド生活者に対しての世間の風当たりはキツイけれど、たくましく生きる姿に心打たれます。

本当の幸せって何?生きるって何?人生の豊かさについて、穏やかに導てくれる言葉にあふれてます。

キーパーソンとなる登場人物がみーんな、ノマド生活者の本人が出演!

観賞後に知りましたが、映画のキーパーソンとなるノマド仲間のリンダ、ちょっといい感じになるデイブ、ノマド生活の本質を教えてくれた先輩スワンキーも、みーんな実際にノマド生活をしているご本人が出演!

自然な演技と言葉に重みがあったことにびっくりだけど、納得。

幸せのあり方は人それぞれ。自分に正直に生きる。

アメリカの壮大な自然を背景に、他人の価値観に捕らわれることなく自分の生きる道を一人バンで走っていくファーンの姿に、今の時代に生きる私たちに幸せのあり方を考えさせてくれます。

自分に正直に生きると、他人にも正直になる。ときどき、正直すぎて衝突することもあるけれど、本当はそれで良いのかもしれない。

まとめ 「ノマドランド」ネタバレなし・感想・レビュー

これはただのキャンピングカー生活を謳歌している金持ちばあさんの話ではない!と見始めてから気づき、自然と背筋を伸ばして観ている自分にびっくり!

それもそのはず、今作品でアカデミー賞主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンから目が離せないのです。

短髪で常にすっぴん、心もすっぴん状態で、私たちの中にある、いわゆる“普通の生活”とか、“普通の幸せ“、”普通の生き方“に対する価値観についてガンガンかつ静かに訴えかけてきます。

ただ、この作品のすごいところは、訴えかけてはくるけど決して押し付けない。静かに淡々と丁寧にアメリカの壮大な自然を背景に、それぞれの生き方を紡ぎだしていきます。

ノマド生活も良いことばかりではない。厳しい現実も率直に描き、困難や他人からの偏見に直面しながらも、他人の価値観に捕らわれることなく自分の幸せと感じることに正直に生きていく姿は、単純にすごいと思いました。

同時に、自分はどうなんだろう?と。世間一般で言われている“幸せと思うであろう生き方”に無理やり自分をはめ込めようとしていないかな?本当に好きでこの家や生活、食べ物を選択しているかな?と。

誰が決めたか分からない、いつの間にか浸透してきた普通に考えたらその方が良いとされきた価値観をなんとなく受け入れているだけじゃないかな?と。

ちゃんと自分で考えて、自分の幸せは自分で決めることの大切さを気づかされてくれる良い作品でした。

これは間違いなく、スマホやテレビの小さな画面で観るのではなく、アメリカの壮大な景色と自然の繊細な音を映画館の大きいスクリーンと質の良い音響で鑑賞してほしいです。

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↓↓↓↓↓↓ここからネタバレあり↓↓↓↓↓↓
まだ鑑賞していない方は、ここから完全ネタバレになりますので、ご注意ください。

 

【ネタバレあり】ホームレスではなく、ハウスレス!アカデミー賞受賞映画「ノマドランド」のあらすじ感想・レビュー

あロケ地のバッドランズ国立公園

今回、絞るのが本当に難しかったです。特に主演のフランシスさんの演技には脱帽です。女優感ゼロ、というかむしろマイナスなくらいスッピンをさらけ出していたのですが、逆にそこが美しかった。そこは敢えて外しての、印象に残ったシーン&見どころを3つ紹介します。

ノマド生活も楽じゃない!20リットルバケツは必需品。

主人公ファーンが急にお腹が痛くなって、20リットルバケツをキッチンの下から慌てて取り出し、音を立てながら用を足して、急いで小さな天窓を開けるシーン。

あるよね~急にしたくなる時、1秒でも早く。

もしノマド生活をするなら、まずはここから始めなければと思った。

ノマド生活がやっぱり好き!屋根付きベッドでは眠れない。

ノマド生活で出会ったボブといい感じになり、一緒に息子が暮らしている家(あとで豪邸と分かる)に住まないか?と誘われて、一旦行ってみることに。

本宅の隣にある屋根付きゲストハウスでふかふかのベッドに案内されて、いざ寝ようとしたら寝れない!

結局、自分のバンに戻り、薄手の毛布にくるまりながら熟睡するというシーン。幸せのボーダーラインは自分で決める!

若いノマドは良くて、なんでシニアのノマドはだめなの?

道中で10代、20代前半の若いキャンパーやヒッピーに憧れてノマド生活をしてる若者と会話するシーン。

若者とノマドとの相性はとても良く、カッコよく、自由を謳歌しているように見えるのに、シニアのノマドはなぜかかわいそうに映る。

自分もいつの間にか世間の一般的価値観に捕らわれているなぁ~と感じました。

みんなの口コミ評判

原作もおすすめ!深掘りできること間違いなし

『ノマドランド』特別映像<FYC Book To Screen>


原作者のジェシカ・ブルーダーは自身もこの原作を書き上げるためにキャンパー・ヴァンで生活しながら、ハウスレスの人々を記録してきた。年月にして3年、距離にして15,000マイル以上~西海岸から東海岸まで、メキシコからカナダ国境まで~に及んだそうです。

ノマド 漂流する高齢労働者たち

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パンフレットでさらっと深掘り


ノマドランドの世界観をさらっと深掘りしたい方はパンフレットがおすすめです。アメリカの広大で美しい風景と共に、クロエ・ジャロ監督のインタビューや今作でアカデミー賞主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンについて書かれています。映画好きにはうれしい内容ですね。

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ホームレスではなく、ハウスレス!アカデミー賞受賞映画「ノマドランド」のあらすじ感想・レビュー まとめ、最後に。

私は只今30代中盤戦を奮闘している真っ最中ではありますが、今の自分とこれからの自分、10年、20年後の自分を見つめ直す良い作品に出会えました。

これは1回見ただけでは、この作品の深さを理解できない、その時の自分の心境次第で見え方が大きく変わってくるなとも思いましたので、これから定期的に見直したいと思いました。

改めて感じたのは、自分の幸せは自分で決める!という当たり前のように思えるけど、この言葉を胸に大切に生きていこうと感じた作品でした。

もし主人公ファーンに会ったらPUFFYの「これが私の生きる道」を聞かせてあげたい(ちょっと古いけど)。

『ノマドランド』予告編
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最後まで読んでいただき、ありがとうざいます!

今日もステキな映画dayになりますように^^

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